日本臨床外科学会雑誌
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症例
十二指腸空腸部分切除術を施行した第4部原発十二指腸癌の1例
丸山 智宏中野 雅人須田 和敬
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キーワード: 十二指腸癌, 第4部, 部分切除
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2016 年 77 巻 4 号 p. 833-838

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抄録

症例は59歳の男性で,心窩部不快感・食欲低下を主訴に来院した.腹部CTで十二指腸第4部に腫瘤性病変を認め,口側十二指腸および胃の拡張が認められた.上部消化管内視鏡検査で,第4部原発の十二指腸癌と診断し開腹手術を施行した.術中所見で横行結腸間膜に単発の腹膜播種を認めた.上腸間膜動脈リンパ節郭清を伴う十二指腸空腸部分切除術と腹膜播種巣を含めた横行結腸部分切除術を施行した.病理組織学的検査では,高分化型腺癌,pSS,ly0,v0であり,リンパ節転移は認めなかった.退院後は,S-1+CDDP療法を施行し,術後17カ月現在,再発なく外来通院中である.第4部原発の十二指腸癌の報告例は極めて少なく,その根治手術術式やリンパ節郭清範囲については確立されたものはない.十二指腸第4部に発生した原発性十二指腸癌の1例を経験したので,治療方針に関する考察を加え報告する.

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© 2016 日本臨床外科学会
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