抄録
症例は67歳,男性.2014年11月に腹痛・発熱を主訴に近医を受診し,急性胆嚢炎の診断で保存的治療で軽快した.同年12月に再度腹痛・発熱に加え黄疸が出現したため近医を受診し,精査加療目的に当院内科紹介となり,下部胆管癌の診断で当科紹介となった.
2015年1月に膵頭十二指腸切除術を施行した.術中,回腸末端から20cm口側の回腸に腫瘤を伴った憩室と同部位近傍の腸間膜に5cm大の腫瘤を認め,合併切除を施行した.病理組織学的検査の結果,憩室内腫瘤はMeckel憩室内のカルチノイド(NET G1)であり,腸間膜腫瘤はそのリンパ節転移であった(胆管に関しては炎症性壁肥厚のみであった).
Meckel憩室は剖検例の1~2%に認められ,Meckel憩室内に腫瘍が発生する頻度は1~4%とされている.発生する腫瘍に関してはGIST・腺癌・平滑筋腫瘍などが報告されており,カルチノイドに関しては本邦では3例のみである.