日本臨床外科学会雑誌
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症例
亜全胃温存膵頭十二指腸切除術後7年目に発症した骨軟化症の1例
吉川 高宏久永 倫聖瀬川 雅数
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2016 年 77 巻 4 号 p. 967-971

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抄録
骨軟化症は骨代謝障害の中では比較的まれな疾患である.今回,われわれは亜全胃温存膵頭十二指腸切除術後7年の経過を経て骨軟化症を発症した1例を経験したので報告する.症例は80歳の女性で,Vater乳頭部癌に対し亜全胃温存膵頭十二指腸切除術,消化管吻合はChild変法を施行し,無再発経過観察中であった.術後7年目に腰痛および高ALP血症,低Ca血症を呈し,MRI・骨シンチグラフィ―にて骨軟化症の診断へと至った.活性型ビタミンD製剤投与にて症状および臨床検査は改善した.胃切除後の骨代謝障害は以前から問題視されているが,十二指腸および上部小腸の切除と複雑な消化管再建を要する膵頭十二指腸切除術後においては骨軟化症に限らず,様々な消化吸収障害に対する注意が必要であると思われた.
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© 2016 日本臨床外科学会
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