日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下修復術を施行した腎臓摘出術後に発症した上腰ヘルニアの2例
岡田 俊裕金谷 誠一郎吉村 文博持田 郁己田村 卓也有本 明
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2016 年 77 巻 4 号 p. 983-986

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抄録
腎臓摘出術後(以下,腎摘後と略記)に発症した腰ヘルニアに対する腹腔鏡下修復術の報告は少ない.今回,腎摘後の上腰ヘルニアに対して腹腔鏡下修復術を2例施行したので報告する.2例とも70歳台の女性で,1例は右腎摘後,1例は左腎摘後に上腰ヘルニアを発症した.半側臥位の体位にて腹腔鏡下にヘルニア門を確認し,十分にオーバーラップする大きさのメッシュを留置し,吸収性タッカーと非吸収糸を用いて全周性に固定した.術後経過良好で早期に退院し,再発は認めていない.腎摘後の上腰ヘルニアは,前方アプローチではヘルニア門の同定やメッシュ固定が困難であると予想されるが,腹腔鏡下に行うことでこれらが容易になり,再発率の低下につながると考えられた.
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© 2016 日本臨床外科学会
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