日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳腺原発小細胞癌の1例
服部 裕昭秋山 芳伸田渕 悟瀬尾 雄樹岸田 憲弘椎木 春美
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2016 年 77 巻 5 号 p. 1037-1042

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抄録

症例は52歳,女性.左乳房外上方に腫瘤を触知し,当科初診.超音波検査所見上同部に低エコー腫瘤を認め,針生検ではN/C比の高い異型細胞が充実性に増殖するのを認め,AE1/AE3 陽性,CAM5.2陽性,CK7陽性,CD56陽性,synaptophysin 陽性を示し神経内分泌癌・小細胞癌の疑いと診断.また,同側腋窩リンパ節への転移を認めた.乳房全摘+腋窩リンパ節郭清施行.病理所見は上記所見に加え乳管内病変も認められ乳腺原発神経内分泌癌,亜型はN/C比が高く核分裂像も多く認められ増殖能も高いことより,乳腺原発小細胞癌と診断した.乳腺原発の小細胞癌は非常に稀であり,文献的考察を加え報告する.

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© 2016 日本臨床外科学会
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