日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳癌甲状腺転移の1例
沖 豊和杉本 健樹小河 真帆駄場中 研戸井 慎花崎 和弘
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2016 年 77 巻 5 号 p. 1043-1048

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抄録
乳癌の甲状腺転移は非常に稀な病態である.今回われわれは乳癌の甲状腺転移症例を経験した.症例は51歳の女性.45歳時にホルモン感受性左乳癌に対し胸筋温存乳房切除術+腋窩郭清術を施行され,術後化学療法とホルモン療法を行っていたが,術後2年4カ月で右頸部リンパ節転移を認め当院に紹介された.当院ではリュープロレリン酢酸塩剤を開始し治療効果を認めたが,再発治療後2年11カ月で左頸部腫瘤が出現し,乳癌の甲状腺転移と診断した.Bevasizumab+weekly paclitaxel療法を行い腫瘍縮小を認めたが,副作用が強く治療を中止した.休薬中の局所コントロールを目的に甲状腺左葉切除術を施行した.術後はtamoxifenとリュープロレリン酢酸塩剤を再開したが,再開後2カ月で甲状腺右葉への転移を認め,現在は化学療法に変更し継続している.悪性腫瘍に合併した甲状腺腫瘍については転移性甲状腺腫瘍も考慮すべきである.
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