日本臨床外科学会雑誌
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症例
梅毒性胸部大動脈瘤の1例
青山 孝信藤井 弘通瀬尾 浩之笹子 佳門
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2016 年 77 巻 5 号 p. 1058-1061

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抄録
梅毒は大動脈瘤の一因として知られるが,術前に梅毒性大動脈瘤と診断し得なかった症例を経験したので報告する.症例は71歳,男性.CTにて最大径60mmの上行大動脈瘤を指摘された.梅毒血清反応はRPR法2.6R.U.,TPLA定量2,387U/mlであったが,紡錘状動脈瘤であり術前には動脈硬化性動脈瘤と診断した.部分弓部大動脈置換術,右腕頭動脈・左総頸動脈再建術を施行したが,大動脈瘤は周囲組織と強固に癒着し,弓部大動脈の壁肥厚を認めた.病理所見で大動脈瘤壁の中膜の栄養動脈周囲に形質細胞の浸潤を認め,術後に梅毒性大動脈瘤と診断し,術後8日目からアモキシシリンを1日1,000mg,2週間の内服を行った.術後経過良好で術後13日目に退院した.術後18カ月目にRPR法は陰性化し,TPLA定量は1,542U/mlであった.現在では,梅毒性大動脈瘤は非常にまれであり,意識しておかねば術前に診断できない可能性がある.
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© 2016 日本臨床外科学会
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