抄録
大動脈・腸骨動脈・総大腿動脈病変による間歇性跛行患者に対する血行再建術では,跛行肢の予後が良好であることから,低侵襲性と長期開存性が求められる.われわれは,高度石灰化による複合病変に対して外科治療・血管内治療を組み合わせたハイブリッド治療を行い,良好な結果を得た症例を経験したので報告する.症例は77歳の男性で,症状は20m程度の右重症間歇性跛行であった.足関節上腕血圧比:右0.61/左0.95,造影CT:腹部大動脈から両側総腸骨動脈に高度石灰化による狭窄あり.上腸間膜動脈は起始部で閉塞し,下腸間膜動脈は側副血行路として発達していた.右総大腿動脈と右膝窩動脈は石灰化でほぼ閉塞していた.腹部大動脈から左総腸骨動脈までのステント留置および左外腸骨動脈-右総大腿動脈交叉バイパスを施行し,跛行症状の改善を得た.