日本臨床外科学会雑誌
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症例
憩室出血に対する選択的NBCA-TAE後の無症候性限局性結腸壊死の1例
西川 隆太郎森本 雄貴濱口 哲也浦田 久志寺邊 政宏三木 誓雄
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キーワード: 憩室出血, TAE, 結腸壊死
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2016 年 77 巻 5 号 p. 1145-1149

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抄録
症例は79歳,男性.下血を主訴に紹介入院となった.来院時には止血していたが,入院4病日目に再出血が認められた.緊急大腸内視鏡検査(CF)を施行し,上行結腸の憩室に出血が認められた.CFにて止血を試みたが,完全には止血できなかったため,緊急アンギオを施行し,活動性の出血が認められたため,NBCA(N-butyl-2-cyanoacrylate)による選択的動脈塞栓術(TAE)を行った.TAE後は塞栓部位を含めた結腸切除を行う方針とし,絶食にて経過観察したが,腹部症状なく,TAEの4日後に,待機的に手術を行った.術中所見では,上行結腸に全層性の壊死巣が環状に認められた.壊死巣を含めた憩室多発部位を切除するために,結腸右半切除を行った.術後創部の感染を合併したものの,排膿処置にて改善した.今回われわれは,結腸憩室出血に対する選択的TAE後,無症候性に結腸壊死が進行した1例を経験したので報告する.
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© 2016 日本臨床外科学会
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