日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
臨床経験
十二指腸楔状切除術を行った十二指腸GISTの5例
宇高 徹総山本 澄治遠藤 出吉田 修久保 雅俊水田 稔
著者情報
キーワード: 十二指腸, GIST, 楔状切除術
ジャーナル フリー

2016 年 77 巻 7 号 p. 1613-1617

詳細
抄録

2005年1月から20015年12月までに当院で切除した十二指腸GISTの5例について臨床病理学的特徴について検討した.男性4例・女性1例で,平均年齢は68歳(54~83歳)であった.術前診断では上部内視鏡検査の結果,全例十二指腸GISTの疑いであった.腫瘍の部位は水平脚3例・下行脚1例・上行脚1例で,腫瘍の大きさは平均40mm(25~75mm)であった.術式は全例に十二指腸楔状切除術が行われていた.T分類ではT2が4例・T3が1例で,病期はI期が4例・II期が1例であった.術後は膵液瘻や縫合不全などの合併症もなく経過良好で,術後平均13日目(10~15日)に退院することができた.術後観察期間中央値は52カ月(7~131カ月)で,全例無再発生存中である.十二指腸GISTの外科治療では根治性を損なわない臓器機能の温存を目指した治療が重要と思われた.

著者関連情報
© 2016 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top