抄録
症例は70歳の男性.2015年4月,足底に角化性皮疹が出現し,近医にてステロイド軟膏等使用されるも効果なく,全身に拡大した.2015年8月,当院皮膚科受診となった.皮膚生検にて表皮の肥厚,軽度の過角化および錯角化に加え,一部壊死を伴う表皮および真皮の炎症の組織所見であった.内臓悪性腫瘍の検索目的に施行した下部内視鏡検査で上行結腸癌が発見され,全身の皮疹は結腸癌に伴うBazex症候群が疑われた.当科に紹介となり,上行結腸癌cT4a(SE),N1(#211),M0,cStage IIIaの診断で,腹腔鏡補助下右結腸切除術およびD3郭清を施行した.術中・術後の合併症はなく,術後12日目に自宅退院となった.皮疹は術後早期より軽快傾向がみられ,術後28日目には著明な改善が認められた.Bazex症候群に伴う皮疹を契機に発見された上結腸癌の1例を経験したので,文献的な考察を加えて報告する.