抄録
患者は71歳,女性.58歳時に左C領域乳癌にて左乳房温存術(Bq+Ax).術後13年目に右腋窩リンパ節腫大が出現し,リンパ節針生検で腺癌(乳癌転移の疑い)の診断.MRIで右乳房に病変なく,左乳房C領域の術後線維化近傍に悪性疑う造影腫瘤あり.MRI造影部位と思われる低エコー域にエコーガイド下吸引式組織生検を施行し,浸潤性乳管癌と診断.リンパ流確認のため左乳輪下に99mTc-フチン酸・ICGを注入後,左残存乳房切除+右腋窩リンパ節郭清を施行.右腋窩・左傍胸骨へのリンパ流を認めたが,右腋窩腫大リンパ節は癌細胞で置換されており集積なし.集積のある右腋窩・左傍胸骨リンパ節および郭清した右腋窩の他のリンパ節に転移なし.左乳房内再発および術後のリンパ流変化による右腋窩リンパ節転移と診断,術後補助療法(HCN+wPTX)を施行し,術後18カ月の現在,無再発生存中.センチネルリンパ節生検の手技でリンパ流の変化を確認し,残存乳房内再発の対側腋窩リンパ節転移を診断しえた.