日本臨床外科学会雑誌
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症例
肝癌と鑑別困難であったIgG4関連疾患の2例
松島 英之海堀 昌樹石崎 守彦松井 康輔權 雅憲
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2016 年 77 巻 8 号 p. 2027-2032

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抄録
症例1:72歳の女性,脳梗塞治療中に採血で肝酵素値の上昇があり紹介.腹部CT・MRI検査で右後区域胆管の途絶・末梢胆管の拡張像あり,肝内胆管癌が疑われた.ERCP,胆汁細胞診で悪性所見なく,肝生検でIgG4関連硬化性胆管炎が疑われた.メチルプレドニゾロン500mg/dayを3日間施行したが改善せず,急性胆管炎を発症.悪性も否定できないことから肝後区域切除を施行.病理結果ではIgG4関連硬化性胆管炎であった.
症例2:77歳の女性,採血で貧血を認め精査目的に紹介.大腸内視鏡検査・組織診・腹部CTにて大腸癌肝転移と診断.肝右葉切除,右半結腸切除を施行.病理結果で切除肝に悪性所見を認めず,免疫染色でIgG4陽性細胞を多数認めた.最終診断で進行大腸癌,IgG4関連肝炎症性偽腫瘍と診断した.IgG4関連疾患に伴う肝炎症性偽腫瘍は悪性腫瘍との鑑別が困難なために外科的切除となることが多いが,術前に確定診断ができれば手術回避可能である.
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© 2016 日本臨床外科学会
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