抄録
今回われわれは,神経線維腫により発症した巨大血腫の1例を経験したので報告する.症例は73歳の女性.既往歴として70歳時,発作性心房細動に対しアブレーション後,抗凝固薬の内服を継続していた.トイレ時に左臀部にピンポン玉大の腫瘤に気付き,急速に増大する臀部腫瘤のために救急搬送された.左臀部には16×14cmの自発痛を伴う巨大な皮下血腫が存在し,全身には粟粒小豆大の神経線維腫,色素斑(カフェオレ斑)が認められた.身体所見より神経線維腫症1型と診断した.抗凝固薬を内服しており,貧血の進行も認めたため内服を中止し,輸血および血腫圧迫を行いながら待機的手術を行う方針とした.入院5日目,血腫および腫瘍摘出術を施行した.今回の出血の原因としては,抗凝固薬と神経線維腫の易出血性によるものが考えられた.