日本臨床外科学会雑誌
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症例
血管バイパス術を用いて根治手術を行った外腸骨動脈・尿管浸潤小腸癌の1例
盧 尚志高橋 里奈岡澤 裕高橋 玄小島 豊坂本 一博
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2016 年 77 巻 9 号 p. 2224-2228

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抄録
症例は72歳,女性.腹痛・腹満が出現し,イレウスの診断で入院となった.下部消化管内視鏡検査では回腸末端部に全周性狭窄を認め,生検結果は腺癌であった.CT検査では回盲部に30mm大の腫瘤陰影と右水腎症が認められ,右外腸骨動脈を圧排していた.以上より,尿管に浸潤した盲腸癌または小腸癌の診断で手術を施行した.腫瘍は回腸末端から口側10cmの回腸に存在する小腸癌で,右尿管および右外腸骨動脈へ直接浸潤していた.右尿管は部分切除・吻合した.右外腸骨動脈は,左大伏在静脈を用いてバイパスした後に,浸潤部血管を合併切除した.病理所見では大腸癌取扱い規約に準じて,T4bN1M0 pStage IIIaの小腸癌で尿管と外腸骨動脈へ直接浸潤が認められた.外腸骨動脈と尿管へ直接浸潤した小腸癌に対し,血管バイパスを用いて根治手術を施行した症例を経験したので報告する.
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© 2016 日本臨床外科学会
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