日本臨床外科学会雑誌
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症例
術中内視鏡が有用であった空腸angiodysplasiaの1例
中山 洋三村 太亮石川 亘立花 光夫宗友 良憲石田 康彦
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2016 年 77 巻 9 号 p. 2219-2223

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抄録

症例は54歳の男性で,主訴はタール便.近医にて上部消化管内視鏡を施行されたが,出血原因がなく紹介となった.2日後に大量下血があり出血性ショック状態で救急搬送となった.腹部造影CT検査にて上部小腸に消化管内への造影剤の漏出を認めた.内視鏡的処置では救命し得ないと判断し,緊急手術・術中内視鏡を施行した.Treitz靱帯より約200cm肛門側に約10mm大の硬結を触れ,硬結部位を含めて空腸を約10cm切除した.病理所見は,主に粘膜下層に嚢状に拡張した血管を認め,血管壁には形成異常があり中~内膜形成不全で平滑筋が欠損しており,angiodysplasiaとして矛盾しない所見であった.

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© 2016 日本臨床外科学会
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