日本臨床外科学会雑誌
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腹腔鏡下ヘルニア修復術術後に発生した腸閉塞の1例
梶岡 裕紀岩川 和秀磯田 健太稲垣 優岩垣 博巳
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2016 年 77 巻 9 号 p. 2311-2314

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抄録
症例は75歳,男性.2014年6月に両側鼠径ヘルニア(日本ヘルニア学会分類 右:IV(I-2,II-2),左:II-2)に対してtransabdominal preperitneal hernia repair(以下TAPP)を施行し,外来にて経過観察中であった.同年7月下旬より腹部膨満感を主訴に来院した.CTにて膀胱前腔に小腸の嵌入およびその嵌入部にて腸管の狭窄と口側腸管の拡張が認められた.イレウス管を挿入し,1週間の保存的加療を行うも改善しないため手術の方針とした.腹腔鏡で腹腔内を観察した際に左鼠径ヘルニア部の閉鎖した腹膜が離解し,膀胱前腔に小腸が嵌り込み,さらにメッシュと小腸の強固な癒着を認めた.腹腔鏡での手術継続は困難と考え,開腹手術へ移行した.癒着剥離術を施行し,膀胱前腔への欠損孔を閉鎖した.TAPPでは閉鎖した腹膜の離解による腸閉塞を生じる可能性があり,注意が必要である.
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© 2016 日本臨床外科学会
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