日本臨床外科学会雑誌
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症例
限局期甲状腺原発濾胞性リンパ腫の1例
和久 利彦園部 宏
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2017 年 78 巻 3 号 p. 452-457

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抄録
症例は63歳の男性.2カ月前から出現した左頸部リンパ節腫脹のため他院で頸部リンパ節生検を行ったが診断できず,確定診断および治療目的で他院より紹介となった.CT・PET検査では,甲状腺左葉の5cm大の腫瘤と左頸部から上縦隔にかけての複数のリンパ節腫大のみを認めた.甲状腺左葉腫瘤の穿刺細胞診は鑑別困難であった.低悪性度甲状腺悪性リンパ腫および左頸部~上縦隔リンパ節浸潤との術前診断で,確定診断と一期的な治療を兼ねて甲状腺全摘およびリンパ節郭清を施行した.リンパ節浸潤を伴うgrade1相当のBCL2陰性限局期甲状腺濾胞性リンパ腫と診断され,追加治療は行うことなく良好な経過が得られている.予後の良いBCL2陰性限局期甲状腺濾胞性リンパ腫では,甲状腺全摘術単独治療も治療選択肢の一つになる可能性があると考えられた.
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© 2017 日本臨床外科学会
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