日本臨床外科学会雑誌
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症例
小腸原発類上皮血管肉腫の1例
安藤 拓也谷 達夫内藤 哲也皆川 昌広長谷川 潤薄田 浩幸島影 尚弘
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キーワード: 類上皮血管肉腫, 小腸
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2017 年 78 巻 3 号 p. 521-526

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抄録

症例は75歳,男性.嘔気と嘔吐を主訴に近医を受診し,貧血がみられたため当院紹介となった.腹部骨盤造影CTで上部空腸の小腸腫瘍を認め,小腸内視鏡では表層粘膜が発赤乳頭状で頂部に粘膜欠損を伴う隆起性病変を認めた.経過中に腫瘍出血による急速な貧血進行を認めたため,緊急で腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した.病理組織学的所見では,核分裂像の目立つ腫瘍細胞が上皮のようにシート状に配列し,一部で管腔様構造の形成を認めた.免疫組織化学染色ではCD31とvimentinが陽性であり,小腸原発の類上皮血管肉腫と診断した.術後補助化学療法は施行せず経過観察していたが,腹膜播種の急速増大,多発肺転移を認め,術後約4カ月目に死亡した.
類上皮血管肉腫は皮膚や軟部組織に好発する血管内皮細胞由来の悪性腫瘍であり,消化管を原発とする症例は極めて稀である.本症例は小腸を原発とする貴重な症例と考えられたため報告する.

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