日本臨床外科学会雑誌
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症例
胃癌乳腺転移の1例
阿彦 友佳工藤 俊牧野 孝俊福島 紀雅緒形 真也飯澤 肇
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キーワード: 乳腺転移, 胃癌, 印環細胞癌
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2017 年 78 巻 4 号 p. 715-720

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抄録
胃癌乳腺転移の稀な1例を経験した.症例は69歳,女性.2014年12月に胃癌に対して胃全摘術を施行.T4aN3bM1(P1,CY1) Stage IV,根治度C,組織型は印環細胞癌であった.術後化学療法は患者の同意が得られず経過観察のみ行った.2016年1月より左乳房全体に腫瘤を自覚し,乳腺針生検で印環細胞癌を認め,免疫組織化学で胃癌組織と一致したことから胃癌乳腺転移と診断した.胃癌乳腺転移の本邦報告例は,1980年から検索すると自験例を含め僅か29例であった.これらを文献的にまとめると,比較的若年女性に多く,印環細胞癌または低分化腺癌が多いという特徴がみられた.乳腺転移時には既に他臓器転移を認める進行例が多く,その後の1年生存率も14.9%と予後不良であった.このような症例では乳房への局所治療の意義は低く,予後改善には有効性の高い全身治療の臨床研究が求められる.
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© 2017 日本臨床外科学会
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