日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹壁瘢痕ヘルニア修復術後の遅発性メッシュ感染の1例
河毛 利顕大森 一郎向田 秀則小橋 俊彦檜原 淳平林 直樹
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2017 年 78 巻 5 号 p. 1127-1133

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抄録

Composix Kugel Patch®(CKP)による腹壁瘢痕ヘルニア修復術後の遅発性メッシュ感染の1例を経験したので報告する.症例は70歳の男性で,2005年,腹壁瘢痕ヘルニアに対しCKPによる修復術を施行した.2016年,遅発性メッシュ感染から腸管皮膚瘻を形成し手術を施行した.Expanded polytetrafluoroethyleneシートが腹腔側に折れ返り,polypropyleneメッシュが腹腔内に露出し,小腸瘻を形成していた.CKPと腸管皮膚瘻を切除し,component separation technique (CST)で腹壁再建した.CSTはメッシュを必要とせず,感染手術にも対応可能である.筋膜欠損が大きく,感染を伴う腹壁再建の選択肢の一つとして検討すべき有用な術式であると考えられた.

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© 2017 日本臨床外科学会
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