2017 年 78 巻 6 号 p. 1364-1367
今回,治療に難渋した肝膿瘍の1切除例を経験したので報告する.症例は68歳,女性.数十年前に交通外傷で肝破裂での開腹歴と半年前に胆石での開腹胆嚢摘出術の既往あり.発熱を主訴に紹介され,CTで肝S8に6cm大と3.5cm大の内部不均一な低吸収域を認め,肝膿瘍と診断された.抗菌薬等で加療するも改善なく,治療抵抗性であると判断し,入院35日目に肝右葉切除術を施行した.これにより解熱し,経過良好にて術後22日目に退院となった.外科的切除が効果的な症例であった.