抄録
腹腔鏡下胆嚢摘出術において胆嚢管の解剖は重要である.われわれは3D-MRCPを用いて胆嚢管の立体構造を解析した.当院で2005年4月~2016年3月にMRCPを撮影した患者のうち,胆嚢管が総胆管から分岐していた454例を対象とした.解析の結果,水平断面では胆嚢管の総胆管への前方からの合流は認めなかった.また,胆嚢管は,総胆管上流では右方から,下部では左方から合流することが多かった.胆嚢管が総胆管と交差する場合,胆嚢管は総胆管の背側を走行していた.このような胆嚢管の走行は,胎生期において,胆管の上部は肝に固定されたままに十二指腸が右回転することにより生じると推察された.