抄録
症例:32歳時に左乳腺腫瘤に対し腫瘤摘出術を施行し,14cmの巨大線維線腫と診断された.以後6回,局所再発のたびに切除を繰り返し,悪性葉状腫瘍へと病理所見の増悪を認めた.56歳時に両側肺腫瘍を認め,右肺部分切除術にて悪性葉状腫瘍の肺転移と診断された.手術後間もなく左肺静脈への腫瘍栓を認め,同部位に放射線療法を施行した.腫瘍死するまでの7カ月間,病勢は制御された.照射終了後間もなく右心房内に79mm大の転移巣を認め,照射を施行し21mmへと著明に縮小した.その後,手指末端にも転移をきたし,疼痛のため照射を施行した.いずれも有効な局所制御が得られ,疼痛も無く良好なQOLを享受できていたが,遠隔転移の診断から10カ月後に呼吸状態の悪化から腫瘍死した.
転移性悪性葉状腫瘍に対し放射線療法も治療の選択肢になりうると考えられる.