抄録
症例は78歳の男性,進行上行結腸癌に対し腹腔鏡下回盲部切除D3郭清を施行した.再発フォローのCTで肝周囲に3カ所の結節性病変を認めた.PET-CTにて異常集積を認め大腸癌腹膜再発を否定できない所見であった.経過中に他院で慢性胆嚢炎に対し腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行され,手術記録から落下胆石による腹腔内膿瘍を鑑別診断として考慮した.しかしながら,腹膜再発の可能性を否定できず外科的切除を施行した.摘出標本の病理組織検査所見から,落下結石による腹腔内膿瘍と確定診断した.胆石手術を既往歴に有する腹膜結節の鑑別として,落下胆石による膿瘍形成や肉芽腫を考慮する必要がある.今回,われわれはPET-CTにて異常集積を認め大腸癌腹膜再発との鑑別に苦慮した胆嚢摘出術後の落下結石による遺残膿瘍の1例を経験したので,報告した.