抄録
今回,われわれは100歳の超高齢者に生じた浸潤性微小乳頭癌(invasive micropapillary carcinoma,以下IMP)を経験した.症例は100歳の女性.外傷時のCT検査で右乳房腫瘤を指摘され当科紹介となった.局所麻酔下に乳腺部分切除を行ったところ,摘出組織の病理検査で,微小乳頭状の癌胞巣が増殖した特徴的な組織像を呈しIMPであった.初診時のCTで遠隔転移所見なく,術後照射や補助薬物治療は行っていない.本邦で報告されている100歳超の乳癌症例は極めて少なく,本邦最高齢のIMPと考えられる.予後不良といわれるIMPではあるが,切除後2年たった現在も良好な経過となっている.悪性度の高い組織型であっても,超高齢者乳癌に対する局所切除は有用な治療となりうる.