抄録
乳腺原発悪性リンパ腫は乳腺悪性腫瘍全体の0.4-0.5%といわれている.乳腺悪性リンパ腫に同時性対側乳癌を併発した,さらに稀な1例を経験したので報告する.
症例は62歳の女性,右乳房腫瘤を主訴に当院を紹介受診.右乳房DE領域に4.5×3.5cm大の腫瘤を触知.針生検でnon-Hodgkin lymphomaと診断され,PET-CTでは右乳腺腫瘤・右腋窩リンパ節以外の他臓器へのFDG集積は認めなかった.乳腺造影MRIで同所見に加え,左乳腺腫瘍が疑われたため,左乳腺の超音波検査を再検したところ同部に低エコー領域を認め,針生検で浸潤性乳管癌の診断.左乳房切除術・センチネルリンパ節生検を施行後,血液内科でR-CHOP療法を施行.
乳腺原発悪性リンパ腫は稀で両側発生率が高い疾患だが,治療方針が通常の乳腺悪性疾患とは異なる.他病巣が示唆された場合,其々を病理組織検査で確認する必要があると考える.