抄録
症例は49歳,女性.残便感の精査のため下部消化管内視鏡検査を施行され,上部直腸に隆起性病変を指摘された.加療目的に当科を紹介受診となった.生検では直腸腺癌と診断され,腹腔鏡補助下低位前方切除術と3群リンパ節郭清を施行した.病理組織学的検査結果より,大細胞型神経内分泌癌(large cell neuroendocrine carcinoma:LCNEC)と診断された.術後は補助化学療法としてシスプラチン・エトポシド併用療法を4コース施行し,6年間再発無く経過している.大腸原発の神経内分泌癌は悪性度が高く予後不良な疾患であり,長期生存例は極めて稀である.今回われわれは根治手術後に補助化学療法を行い,術後6年の無再発生存を得られている直腸LCNECの1例を経験したため報告する.