日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
Nuck管水腫19例の経験
斎藤 明菜吉岡 慎一岡田 一幸福永 睦小林 研二
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2018 年 79 巻 2 号 p. 273-277

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抄録
はじめに:女性の鼠径部膨隆の原因としてNuck管水腫が挙げられ,異所性子宮内膜症や腺癌の合併などの報告もあり,完全切除が望ましい.今回われわれはNuck管水腫の診断,経過に対する検討を報告する.対象と方法:当院で過去5年間に鼠径部膨隆に対し手術を行った女性111例を対象に検討を行った.結果:111例中19例がNuck管水腫と診断され,他の92例は鼠径ヘルニアであった.術前CT結果で感度は84.2%,特異度は96.7%であった.CTでNuck管水腫と診断できなかった症例に腹腔鏡下で鼠径ヘルニア修復術をする場合には,子宮円靱帯の牽引をしっかり行うことで診断が可能であった.病理組織学診断では,異所性子宮内膜症と診断された症例は19例中2例であった.まとめ:Nuck管水腫の診断はCTである程度可能であるが,完全ではないため手術にNuck管水腫の存在を念頭に置いた術式選択が必要であると考えられた.
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