抄録
症例は66歳の男性,腹痛にて当院消化器科へ紹介され受診した.慢性膵炎の急性増悪の診断で保存的加療を行い,その後近医にて経過観察中であった.高CA19-9血症が持続するためCTを施行したところ,十二指腸球部に造影効果を認める腫瘍を認めた.EGDにて同部に1型腫瘍を認め生検を施行したところNET-G1・サイズが10mmを超えていたため手術目的に消化器外科紹介となった.腹腔鏡下幽門側胃切除術(D2)+十二指腸部分切除術を施行した.術後病理ではリンパ節転移はなかった.十二指腸NETでは,腫瘍径,深達度,核分裂像の有無が転移リスクを予測するうえで重要な因子といわれているが,治療方針・手術術式に関してはまだ不明なところが多い.今回われわれは,十二指腸球部NETに対して手術を行ったが,術式選択について非常に難渋したので若干の文献考察を加えて報告する.