日本臨床外科学会雑誌
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症例
上行結腸への嚢胞性腫瘤転移で発見された原発不明癌の1例
古谷 裕一郎平沼 知加志島田 麻里服部 昌和道傳 研司橋爪 泰夫
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2018 年 79 巻 2 号 p. 350-355

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抄録
症例は40歳の女性.血尿を主訴に当院泌尿器科を受診し,腹腔内に嚢胞性腫瘤を指摘され当科を紹介受診した.腹部CTにて上行結腸背側に約50mmの嚢胞性腫瘤を認めた.診断を兼ねて外科的切除の方針とし,回盲部切除術を施行した.病理組織学的所見にて上行結腸への転移性腺癌と診断され,術後のFDG-PET検査においても原発巣は指摘できなかった.原発巣として卵巣が疑われたため両側卵巣切除術を施行したが,卵巣標本においても悪性所見は指摘できず,原発不明癌と診断した.術後の治療は患者本人の希望もあり,化学療法はせず経過観察の方針となった.現在,転移性腺癌切除術後9カ月を経過したが再発や原発巣の顕性化なく外来通院中である.
原発不明癌ではリンパ節転移で発見されることが多く,本邦において大腸への転移で嚢胞性腫瘤を契機に発見された報告はない.今回,われわれは上行結腸への転移で嚢胞性腫瘤として発見された原発不明癌の1例を経験したので報告する.
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