日本臨床外科学会雑誌
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症例
下行結腸平滑筋肉腫による腸重積の1例
藤田 雄司田中 裕也重田 匡利秋山 紀雄
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2018 年 79 巻 2 号 p. 366-370

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抄録

症例は69歳,男性.約3カ月前より左腹部腫瘤に気付いていた.2日前よりわずかな痛みを伴う手拳大の左腹部腫瘤を主訴に,近医より消化器内科へ紹介受診.腹部CT検査にて下行結腸の巨大腫瘤が下行結腸内に順行性に重積していた.非観血的整復は困難と判断され外科へ紹介受診となった.受診時,痛みは軽微で腸閉塞も認めないため,入院の上,待機的手術が可能と判断した.MRIなどの精査を追加した後,腸重積を併発した下行結腸腫瘍の診断のもと,リンパ節郭清を伴う結腸左半切除術を施行した.術中・術後を含め重積解除は不可能であった.病理組織学的には免疫組織染色にて平滑筋肉腫と診断された.術後2年,経過良好で再発の兆候は認めていない.

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© 2018 日本臨床外科学会
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