日本臨床外科学会雑誌
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症例
待機的腹腔鏡下手術を施行した小腸仮性憩室腸間膜穿通の1例
田中 美也子川嶋 和樹淺倉 毅大友 浩志横田 憲一
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2018 年 79 巻 3 号 p. 510-515

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抄録
症例は68歳の男性で,右下腹部痛・発熱を主訴に来院された.造影CTで,小腸腸間膜穿通・腸間膜膿瘍の診断となった.原因として憩室が疑われたが,悪性腫瘍も否定できないと考えられた.来院時全身状態は良好で,腹痛症状も限局的であり,保存的加療を行いながら精査を進めた.下部消化管内視鏡検査では回腸末端部に粘膜下隆起を認めた.穿通発症から1カ月後,炎症反応は軽快したが悪性腫瘍が否定できないため,腹腔鏡下での待機手術を行った.病理所見では小腸仮性憩室腸管膜穿通の診断であった.小腸仮性憩室穿通は比較的珍らしい疾患で術前診断が難しく,緊急手術が行われることも多い.今回は憩室穿通により腸間膜膿瘍が形成されたものの保存的加療が奏効し,待機的に腹腔鏡下手術にて病巣を切除しえた.小腸腸間膜膿瘍の症例において,炎症が限局的である場合,待機的な腹腔鏡手術による侵襲の低減化も可能であると考えられた.
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