日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前に留置したVATS用マーカーを指標に部分切除した小腸angioectasiaの1例
庄司 良平児島 亨仁熊 健文升田 智也片岡 正文三村 哲重
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2018 年 79 巻 3 号 p. 523-527

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抄録

症例は71歳,男性.既往に胆嚢十二指腸瘻に対する開腹手術歴があった.術後9年目頃から繰り返す下血,貧血の進行を主訴に入退院を繰り返していた.それまで各種検査を施行していたが,明らかな出血源は不明のままであった.しかし,今回の入院時に撮影した腹部造影CT検査では上腸間膜静脈の閉塞と,小腸,上行結腸辺縁静脈の拡張,側副血行路の発達を認め,また活動性出血時に撮影した腹部造影CT検査で臍近傍の小腸壁の一部に造影剤の貯留を認めたため,この部位の腸管壁に術前VATS(video-assisted thoracic surgery)マーカーを留置し,これを指標に小腸部分切除を施行した.摘出標本では小腸粘膜が一部欠損していた.病理組織学的検査で病変の粘膜下に静脈の増生,出血所見を認め,小腸angioectasiaからの出血と診断した.

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© 2018 日本臨床外科学会
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