日本臨床外科学会雑誌
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症例
Epstein-Barr virus非関連肝移植後リンパ増殖性疾患の1例
田村 圭藤山 泰二井上 仁高井 昭洋渡邊 常太高田 泰次
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キーワード: PTLD, 肝移植, EBV非関連
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2018 年 79 巻 3 号 p. 560-566

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抄録
患者は64歳,男性.2009年5月にアルコール性非代償性肝硬変に対し,生体部分肝移植術を施行した.Epstein-Barr virus(EBV)はともに既感染であった.術後の免疫抑制剤は3剤併用療法を行い,ステロイドは術後6カ月目に中止した.2014年1月に吐下血を認め,上部消化管内視鏡にて胃体上部に潰瘍を伴う腫瘍性病変を認め,生検により移植後リンパ増殖性疾患(PTLD)と診断された.EBV-PCR検査は陰性であった.PET-CT検査では胃および腹腔内の塊状に腫大したリンパ節にFDGの集積を認め,Ann Arbor分類II期と診断した.治療として,まず免疫抑制剤を減量した.続いて化学療法を施行しCRとなった.小児ではほとんどがEBV関連のPTLDであるが,成人ではその割合は約70%と報告されており,成人肝移植症例ではEBV非関連のPTLDが発症する危険性に注意する必要がある.
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© 2018 日本臨床外科学会
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