日本臨床外科学会雑誌
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症例
胆嚢仮性動脈瘤・胆嚢十二指腸瘻合併による消化管出血性ショックの1例
吉峯 宗大瀬山 厚司菅 淳林 雅規井上 隆守田 知明
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2018 年 79 巻 3 号 p. 567-571

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抄録
胆嚢動脈瘤の多くは胆嚢炎に続発する仮性動脈瘤で,胆道出血の原因となる稀な疾患である.一方,胆嚢十二指腸瘻の約90%は胆嚢結石による胆嚢炎に続発し,胆石イレウスや繰り返す胆道感染の原因となり得る比較的稀な疾患である.今回われわれは,胆嚢仮性動脈瘤と胆嚢十二指腸瘻を合併したことにより,消化管出血から出血性ショックを呈した症例を経験したので報告する.症例は胆石性胆嚢炎の既往がある82歳の女性で,一過性の意識消失を繰り返し,貧血の進行を認めた.造影CT検査・上部消化管内視鏡検査の結果,胆嚢仮性動脈瘤と胆嚢十二指腸瘻の合併による消化管出血と診断された.準緊急手術を施行すると,胆嚢および十二指腸球部周囲に強固な癒着を認めた.胃前庭部~十二指腸球部と胆嚢を切除し,消化管再建はRoux-en Y法で行った.術後経過は良好で,術後3カ月目にリハビリ目的に転院となった.
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© 2018 日本臨床外科学会
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