日本臨床外科学会雑誌
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症例
著しい可動性を有した膵漿液性嚢胞腺腫の1例
本多 五奉鈴木 裕中里 徹矢近藤 恵里磯村 杏耶菅間 博森 俊幸杉山 政則
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2018 年 79 巻 3 号 p. 585-589

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抄録
症例は36歳,女性.上腹部に可動性腫瘤を自覚し,CTで嚢胞性腫瘍を指摘され受診.触診で上腹部に5cm大の腫瘤を触知し,用手的に容易に左右に移動した.画像では蜂巣状構造を呈し,漿液性嚢胞腺腫が疑われた.腫瘤径が4cm以上であったため手術を行った.腫瘤は膵頭部前面から膵外へ広基性に発生しており,基部となっている膵実質も含めて腫瘤を摘出した.病理組織学的検査でmicro cystic typeの漿液性嚢胞腺腫と診断した.術中所見では膵臓自体には可動性がなく,腫瘍が膵外発育をしたことが可動性の原因と考えた.本邦における可動性膵腫瘍の報告は8例あり,膵腫瘍も可動性腹部腫瘤の鑑別診断に挙げる必要がある.
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© 2018 日本臨床外科学会
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