日本臨床外科学会雑誌
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症例
消化管ステント留置により術前経口摂取を可能とした膵頭十二指腸切除の2例
浅井 浩司渡邉 学齋藤 智明斉田 芳久前谷 容草地 信也
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2018 年 79 巻 3 号 p. 578-584

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抄録
膵頭十二指腸術(pancreaticoduodenectomy;PD)は高度侵襲を伴う術式であり,未だ術後合併症発生率,在院死亡率が高率な術式である.今回,われわれはPD術前に消化管ステントを留置した2例を経験したので報告する.症例1は76歳の男性.十二指腸浸潤を伴う切除可能境界膵鉤部癌と診断した.十二指腸狭窄により経口摂取が困難であったため,術前に内視鏡的十二指腸ステントを留置した.留置後1カ月目にPDを施行し,術後第23病日に退院となった.症例2は68歳の男性.十二指腸,肝浸潤を伴う閉塞性上行結腸癌と診断した.経口摂取が困難であったため,術前に内視鏡的大腸ステント留置を行った.留置後16日目に結腸右半切除術・PD・肝部分切除術を施行し,術後第25病日に退院した.高度侵襲手術であるPDを必要とする症例に対して,術前の消化管ステント留置は考慮すべき治療戦略の一つと考えられた.
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© 2018 日本臨床外科学会
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