日本臨床外科学会雑誌
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症例
乳腺線維腫症の1例
福岡 恵木村 桂子木村 充志米山 文彦芥川 篤史河野 弘佐竹 立成
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2018 年 79 巻 4 号 p. 680-686

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抄録
今回われわれは,稀な乳腺線維腫症の1例を経験したので報告する.症例は34歳,女性.右乳房の皮膚の陥凹を自覚して当院を受診.初診時,右乳房B領域に15mm大のdimplingを伴う硬い腫瘤を触知し,マンモグラフィでは右L領域に局所非対称性陰影を認めた.超音波検査では14×17×14mm大の不整形腫瘤を認め,前方境界線の断裂,後方エコーの減衰を伴い悪性が疑われたが,乳房MRIの造影パターンは良性を示唆するものであった.針生検の病理所見は,豊富な膠原線維を背景に異型に乏しい紡錘形細胞が束状に増生し,核にβ-cateninが陽性であり,乳腺線維腫症と診断した.治療は1.5cmのmarginを確保して部分切除術を施行し,断端陰性を確認した.術後3カ月経過し再発徴候を認めていないが,乳腺線維腫症の局所再発率は高く,今後も慎重な経過観察が必要と考える.
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