抄録
症例は83歳,男性.虚血性小腸壊死に対する小腸部分切除術後1カ月で小腸壊死が再発し,経皮的血管拡張術と小腸部分切除術を一期的に行う方針とした.左大腿動脈から上腸間膜動脈にマイクロガイドワイヤーを挿入したが,根部の狭窄が強く,バルーン・ステントは通過しなかった.小腸切除が必要であるため,手術室で開腹下血管拡張術の方針とした.切除小腸間膜内の動脈を切開しガイドワイヤーを挿入,上腸間膜動脈根部を通過させた.スネアカテーテルを用いガイドワイヤーを左大腿部まで誘導しpull through法を用いた.左鼠径部からステントを留置し血流を改善させた後,壊死腸管を切除し手術を終了した.大腿動脈-腸間膜動脈間のpull through法を用いることで石灰化を伴う狭窄部をバルーン・ステントが通過可能となり,良好な結果が得られたと考えられた.