日本臨床外科学会雑誌
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症例
化学療法後の膵癌縮小で脱落した十二指腸ステントによる小腸穿孔の1例
川西 泰広北川 博之宗景 匡哉並川 努花崎 和弘
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2018 年 79 巻 5 号 p. 1095-1099

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抄録
症例は71歳,女性.黄疸と食物通過障害を機に精査を行い,膵頭部癌T4N1M0と診断された.腫瘍による胆管,十二指腸狭窄に対して胆管ステント(フルカバーステント10×60mm),十二指腸ステント(メタリックステント22×100mm,22×60mm)を留置し,Gemsitabin+S-1併用療法を開始した.3クール終了後のCT検査で膵頭部腫瘍の縮小を認めたが,胆管ステントと十二指腸ステントの脱落を認めた.胆管ステントは十二指腸内に脱落しており,内視鏡下に回収,再留置を行った.十二指腸ステントは小腸へ脱落していたが,自然排出の可能性も考え,経過観察となった.CT検査から12日後にイレウスを発症し,外科的摘出を行った.ステントは上部空腸の腸管壁に穿通しており,小腸部分切除術を行った.十二指腸ステントの合併症として,脱落,穿孔は稀であり,外科的介入を行った症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.
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© 2018 日本臨床外科学会
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