抄録
症例は71歳,女性.黄疸と食物通過障害を機に精査を行い,膵頭部癌T4N1M0と診断された.腫瘍による胆管,十二指腸狭窄に対して胆管ステント(フルカバーステント10×60mm),十二指腸ステント(メタリックステント22×100mm,22×60mm)を留置し,Gemsitabin+S-1併用療法を開始した.3クール終了後のCT検査で膵頭部腫瘍の縮小を認めたが,胆管ステントと十二指腸ステントの脱落を認めた.胆管ステントは十二指腸内に脱落しており,内視鏡下に回収,再留置を行った.十二指腸ステントは小腸へ脱落していたが,自然排出の可能性も考え,経過観察となった.CT検査から12日後にイレウスを発症し,外科的摘出を行った.ステントは上部空腸の腸管壁に穿通しており,小腸部分切除術を行った.十二指腸ステントの合併症として,脱落,穿孔は稀であり,外科的介入を行った症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.