日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡併用手術を行った鼠径ヘルニア偽還納の1例
林 裕樹赤松 道成堤 綾乃木村 研吾野里 栄治照屋 淳
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2018 年 79 巻 5 号 p. 1106-1110

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抄録
症例は59歳,男性.左鼠径部痛を主訴に外来受診.左鼠径ヘルニア嵌頓の診断で用手還納し,後日待機手術の予定で帰宅した.同日夜に腹痛,悪心を主訴に救急再受診.左鼠径部にヘルニア嵌頓の理学所見は無かったが,腹部膨隆を認めた.CTにて左鼠径部近傍の腹腔内に球状に限局された小腸と腹水を認め,鼠径ヘルニア偽還納が疑われ緊急手術を施行.前方アプローチで手術を開始し,併存型の所見を認めた.前方からの視野では偽還納の所見が確認できずDirect Kugel Patch®で修復後に腹腔鏡下に観察したところ,肥厚腹膜がヘルニア門となり小腸を絞扼している所見を確認し,絞扼を解除してヘルニア門を縫縮した.腸切除は要しなかった.術後経過は良好で術後5日目に退院となった.鼠径ヘルニア偽還納が疑われる症例に対して,低侵襲で詳細な検索が可能な腹腔鏡併用手術は有用であると考えられた.
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© 2018 日本臨床外科学会
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