日本臨床外科学会雑誌
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症例
10歳女児の穿孔性虫垂炎術後に発生した右鼠径ヘルニア嚢膿瘍の1例
中本 裕紀横山 良司西川 眞武冨 紹信
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2018 年 79 巻 5 号 p. 1111-1116

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抄録
症例は10歳,女性.腹痛を主訴に当院を受診,急性虫垂炎と診断し腹腔鏡下虫垂切除術を施行.虫垂は壊死しており腹腔内には混濁した腹水を認め,穿孔性虫垂炎の所見であった.虫垂切除,洗浄,ドレナージを施行した.鼠径ヘルニアに関わるエピソードはなかったが,術中所見でわずかに内鼠径輪の開大を認めた.術後7日目に右鼠径部に疼痛が出現.CTで右鼠径管内に膿瘍を認めた.穿孔性虫垂炎による汚染した腹水が右内鼠径輪を通して右鼠径管内に流入したことによる膿瘍形成と推察された.膿汁を穿刺吸引し,抗生剤投与により治癒した.汎発性腹膜炎や穿孔性虫垂炎術後にヘルニア嚢内に異時性に膿瘍を認める症例の報告は散見されるが,比較的高齢者の報告例が多く,若年者の報告例は稀である.本症例のように若年者においても腹腔内感染の治癒後にヘルニア嚢に膿瘍形成を認める場合があり,術後経過に十分留意する必要がある.
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© 2018 日本臨床外科学会
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