抄録
症例は73歳,女性.多中心性Castleman病に対して約10年にわたってトシリズマブの投与を受け,良好な病勢コントロールを得ていた.健診にて食道癌を指摘され,手術目的に当科へ紹介となった.トシリズマブの最終投与日から19日後に,胸腔鏡補助下胸部食道亜全摘術を施行した.術後1日目に集中治療室を退室,術後2日目に歩行を開始し,術後14日目に経口摂取を再開した.術翌日以降の発熱やCRPの上昇は乏しかった.術後17日目以降のCRPは上昇傾向に転じたが,術後合併症を思わせる所見はなく,術後22日目にトシリズマブの投与を再開し,術後28日目独歩退院となった.今回の休薬期間設定では術直後にも関わらず血液検査上のCRPの上昇は乏しく,感染性合併症発生の判断の指標とはならない可能性が考えられた.術後Castleman病の病勢悪化によると考えられるCRPの上昇を認めたが,安全にトシリズマブの再開が可能であった.