抄録
症例は66歳の男性で,胃癌に対して胃全摘術(Y脚吻合はCircular stapler 21mmによる側側吻合)を施行した.手術後7カ月目に食事のつかえ感がありCTを施行したところ輸入脚の拡張を認め,Y脚吻合部狭窄による輸入脚症候群と診断した.上部消化管内視鏡検査で吻合部は同定できなかった.血液検査で異常を認めなかったため待機治療可能と判断し,後日シングルバルーン内視鏡検査を施行した.狭窄部を同定し,内視鏡的バルーン拡張術を施行したところ大量の腸液が排出された.術後経過は良好で術後5日目に退院した.Y脚吻合部狭窄が原因の輸入脚症候群に対する内視鏡的バルーン拡張術は低侵襲で有用な治療法と考えられた.