日本臨床外科学会雑誌
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症例
大腿ヘルニア嵌頓術後遅発性虚血性小腸狭窄の2例
福田 直城岩橋 誠丸岡 慎平山本 基寺澤 宏小林 康人坪田 ゆかり
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2018 年 79 巻 8 号 p. 1707-1714

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抄録
ヘルニア嵌頓の整復手術で嵌頓腸管を温存した際,遅発性に腸管狭窄をきたす症例が稀に報告されている.大腿ヘルニア嵌頓の手術時に嵌頓小腸を温存した後,遅発性に腸閉塞を発症,腹腔鏡下手術を施行し虚血性小腸狭窄と診断した2症例を経験した.1例は小腸の漿膜に色調変化を認めず温存したが,後に狭窄をきたした.もう1例は小腸の漿膜に線状の色調変化を認め,Indocyanine Green(以下,ICGと略記)蛍光血管造影法を施行し,小腸のほぼ全体が造影されたが漿膜の変化に一致して線状の造影不良域を認めた.問題ないと判断し温存したが,後に造影不良域が瘢痕性変化をきたし狭窄の原因となった.ヘルニア嵌頓の手術時は遅発性虚血性小腸狭窄の可能性を念頭に置く必要がある.ICG蛍光血管造影法でわずかでも造影不良域を認めた場合は慎重に経過観察し,腸閉塞症状を認めた時点で手術を考慮することが必要である.
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© 2018 日本臨床外科学会
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