抄録
症例は89歳,女性.冠動脈造影検査施行後に腹痛を訴えた.精査で回結腸動脈の塞栓と診断し,血栓溶解療法を施行した.腸管の穿孔所見は認められなかったので保存的に治療を継続したところ,改善が認められたため,経口摂取可能となり退院した.しかし,退院2カ月後に同部位の小腸狭窄による腸閉塞を発症したため,待機的に腹腔鏡補助下小腸部分切除術を施行した.切除病理標本からコレステロール結晶塞栓症による小腸狭窄の診断を得た.コレステロール結晶塞栓症による消化管穿孔・壊死・狭窄症例の本邦報告例は少なく,外科医として十分に本疾患に対する認識を持っておくことは重要であると思われる.