抄録
症例は67歳,男性.左大腿部腫瘤が増大したため当院形成外科を受診した.左大腿二頭筋筋膜内粘液型脂肪肉腫と診断し,外科的マージンを確保した拡大腫瘍摘出術を施行した.術後4カ月のCTにて後腹膜に異常陰影の増大を認めたため,当科紹介となった.造影CTにて仙骨前面に長径50mm 大の軽度造影効果を伴う境界明瞭な腫瘤を認め(CT値:-10-66),脂肪肉腫の後腹膜転移と診断し,腹腔鏡下後腹膜腫瘍摘出術を行った.S状結腸・直腸S状部を授動し仙骨前面の腫瘍を確認し,外科的マージンを確保し腫瘍を損傷することなく切除した.組織学的にmyxomatousな変化を伴う腫瘍で,左大腿部脂肪腫の転移として矛盾しない所見であった.現在,術後12カ月経過したが再発は認めていない.術後の綿密な経過観察の重要性および腹腔内再発症例に対する腹腔鏡手術の有用性が示唆された.