日本臨床外科学会雑誌
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症例
二層性の形態を示した濾胞樹状細胞腫を伴った腹腔内Castleman病の1例
伊藤 喜介平松 和洋加藤 岳人柴田 佳久吉原 基青葉 太郎
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2018 年 79 巻 9 号 p. 1890-1895

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抄録

症例は71歳,女性.特記すべき既往歴なし.10年前から緩徐に増大する腹部腫瘤を主訴に当院を受診した.腫瘤は児頭大で表面平滑,可動性は良好であった.腹部CT・MRIにて,膵鈎部尾側に接した10cm大の造影効果のある二層に分かれた境界明瞭な腫瘤を認めた.Castleman病などの良性腫瘍を疑い開腹術を施行した.腫瘤は横行結腸間膜と連続性を認めたが,腫瘍の栄養血管のみを処理し,被膜を損傷することなく摘出した.病理組織学的検査の結果,内側は濾胞樹状細胞腫,外側はHV型Castleman病と診断した.二層に分かれるような発生形態を呈した,腹腔内原発の濾胞樹状細胞腫を伴うCastleman病の報告例はみられないため報告する.

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© 2018 日本臨床外科学会
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