抄録
2016年度の診療報酬改定に伴い腹腔鏡下膵切除術の適用が拡大され,今後も症例数は増加していくと思われる.しかし,厳格な施設基準が定められており,施行にあたっては施設基準を満たし,かつ施設認定を受ける必要がある.これまでの報告を検討すると,良性~低悪性度腫瘍に対する腹腔鏡下膵体尾部切除術(laparoscopic distal pancreatectomy:LDP)は開腹術に比べて合併症発生率を改善させる可能性があり推奨される.膵癌に対するLDPも周術期成績は同等であり,推奨されると考えられるが,本邦での保険適用が開始されたばかりであり,今後の症例の蓄積による短期・長期成績の解析が必要である.腹腔鏡下膵頭十二指腸切除術(laparoscopic pancreatoduodenectomy:LPD)に関しては良性~低悪性度腫瘍に対しては開腹術と周術期成績が同等もしくは良好な可能性があり推奨される.一方,悪性腫瘍に対しては2018年12月時点では保険適用外であり,今後の保険収載が期待される.